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民泊のOTA手数料を下げる方法|自社予約サイトという選択肢

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民泊のOTA手数料を下げる方法|自社予約サイトという選択肢

民泊のOTA手数料は、運営費のなかで削減余地が最も大きい項目です。売上の10〜20%を占めながら、見直しの対象にされることがほとんどありません。

清掃費や光熱費は、下げようとしても限界があります。一方でOTA手数料は、予約経路の構成を変えるだけで比率が変わります。同じ売上でも、どのサイトから予約が入るかによって手元に残る金額が変わるということです。

この記事では、主要OTAの手数料体系を整理したうえで、手数料を下げるための現実的な方法を解説します。

  • 主要OTAの手数料体系と負担者の違い
  • 手数料が民泊の収支に与える影響の大きさ
  • OTA手数料を下げる4つの方法
  • 自社予約サイトのメリットと注意点

なお、各OTAの手数料率は改定されることがあります。本記事の数字は目安として扱い、契約前には必ず各サイトの最新の規定を確認してください。

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民泊のOTA手数料は売上の10〜20%を占める


OTA手数料は、民泊の変動費のなかで最大級の項目です。売上に比例して増えるため、稼働が伸びるほど負担額も大きくなります。

OTA(Online Travel Agent)とは、Airbnb、Booking.com、楽天トラベル、じゃらんなど、宿泊予約を仲介するプラットフォームの総称です。集客を担ってもらう対価として、成約した予約に対して手数料が発生します。

集客力と引き換えの費用であるため、単純にゼロにすることはできません。しかし、体系を理解すれば負担率を下げることは可能です。

主要OTAの手数料体系を比較する

主要なOTAの手数料には、次のような違いがあります。

プラットフォーム ホスト負担の手数料目安 特徴
Airbnb(分割方式) 3%前後 ゲスト側にも手数料が発生する
Airbnb(一括方式) 14〜16%前後 ゲスト側の手数料が表示されない
Booking.com 15%前後 海外からの予約に強い
Expedia系 15〜18%前後 海外OTAとの連携が広い
楽天トラベル 8〜12%前後 国内客の比率が高い
じゃらん 8〜10%前後 国内客の比率が高い

料率は契約条件やプランによって変わります。上記は目安です。

国内向けのOTAは比較的低い水準にあります。一方、海外からの予約を取りにいく場合は、手数料の高いプラットフォームが必要になります。訪日客の比率を上げたい物件では、この費用は集客の必要経費と考えてください。

Airbnbには2つの手数料方式がある

Airbnbでは、ホストが手数料の方式を選べる場合があります。分割方式と一括方式の2種類です。

分割方式では、ホスト側の負担が3%前後に抑えられます。その代わり、ゲスト側に別途手数料が加算されます。検索結果に表示される総額が上がるため、価格競争力の面では不利になることがあります。

一括方式では、ホストが14〜16%前後を負担します。ゲスト側の追加手数料が発生しないため、表示価格が抑えられます。総額での比較で選ばれやすくなる可能性があります。

どちらが有利かは、競合の価格設定と自分の物件のポジションによって変わります。周辺の競合が分割方式を採用しているなかで一括方式にすると、表示価格の面で優位に立てる場合があります。

手数料は「率」だけでなく「誰が負担するか」で変わる

手数料を比較する際は、率だけを見ないでください。ホストとゲストのどちらが負担するかによって、実質的な意味が変わります。

ゲスト負担の手数料は、ホストの帳簿には出てきません。しかし、ゲストが支払う総額には含まれます。総額が上がれば、検索結果での競争力は下がります。つまり、ホスト負担が低いプラットフォームでも、稼働率の低下という形でコストが発生している可能性があります。

判断すべきなのは、手数料率そのものではなく「手数料を差し引いた後の年間の手取り額」です。率が低くても予約が入らなければ意味がありません。

OTA手数料が民泊の収支に与える影響

手数料率が数パーセント変わるだけで、年間の利益は大きく動きます。金額に換算して確認してください。

年間売上365万円の物件で、平均のOTA手数料率が15%の場合と10%の場合を比較します。

項目 手数料15% 手数料10%
年間売上 3,650,000円 3,650,000円
OTA手数料 547,500円 365,000円
差額 182,500円

年間で18万円強の差が生じます。この金額は、清掃を内製化した場合の削減効果と同程度、あるいはそれ以上です。

さらに、この差は毎年発生します。10年間で180万円以上の違いになります。物件の取得価格を比較する際には数十万円の差を検討するのに、毎年発生する手数料の差が見過ごされているケースは少なくありません。

なお、手数料率を下げた結果として稼働率が落ちれば、削減効果は打ち消されます。次章の方法は、稼働率を維持したうえで手数料を下げることを前提としています。

民泊のOTA手数料を下げる4つの方法


OTA手数料を下げる方法は4つあります。取り組みやすい順に並べています。

手数料率の低いOTAへ予約を分散する

まず着手すべきは、掲載先の構成を見直すことです。手数料率の低いプラットフォームからの予約比率を上げれば、平均の手数料率が下がります。

国内客が中心の物件であれば、国内OTAの比率を上げることで効果が出ます。楽天トラベルやじゃらんの手数料は、海外系のプラットフォームより低い水準にあります。

ただし、掲載先を増やすとダブルブッキングのリスクが生じます。複数サイトの在庫を連動させるサイトコントローラーの導入が前提になります。運営代行を利用している場合は、対応可能な範囲を確認してください。

分割方式と一括方式を選び直す

Airbnbで手数料方式を選択できる場合は、どちらが自分の物件に合うかを検証してください。

判断の材料は、周辺競合の表示価格です。競合の総額表示より自分の物件が高く見えている場合、一括方式に切り替えることで表示価格を下げられる可能性があります。逆に、価格帯で優位に立てている物件であれば、分割方式でホスト負担を抑えるほうが有利です。

切り替えの効果は、変更後の予約数で確認します。数か月単位で比較し、手数料の削減額と稼働率の変化を合わせて判断してください。

連泊・長期滞在の比率を上げる

連泊の比率を上げると、手数料以外の変動費も同時に下がります。予約1件あたりの売上が増えるためです。

清掃費は予約組数に比例します。同じ稼働日数でも、1泊の予約が続く場合と3泊の予約が中心の場合では、清掃回数が3倍違います。1回8,000円の清掃費であれば、年間で数十万円の差になります。

連泊を促すには、2泊以上や1週間以上の割引を設定します。割引によって単価は下がりますが、清掃費と手数料の削減額が上回るケースは珍しくありません。実際の数字で比較してから設定してください。

自社予約サイトを持つ

最も効果が大きいのは、OTAを経由しない予約経路を持つことです。自社の予約サイトからの予約であれば、OTA手数料は発生しません。

ただし、集客をゼロから作る必要があります。導入すれば自動的に予約が入るものではありません。次章で仕組みと注意点を整理します。

自社予約サイトという選択肢

自社予約サイトは、OTA手数料を構造的に減らせる唯一の方法です。一方で、集客を自力で行う必要があるため、導入の判断は慎重に行ってください。

自社予約サイトの仕組み

自社予約サイトとは、自分の施設専用の予約ページを持ち、そこから直接予約を受け付ける仕組みです。予約エンジンと決済機能を組み込んだページを用意し、在庫をOTAと連動させて運用します。

OTAを介さないため、仲介手数料は発生しません。代わりに、予約システムの利用料と決済手数料がかかります。決済手数料は3〜4%程度が一般的な水準です。OTAの15%と比較すれば、負担は大きく下がります。

自社予約サイトのメリット

手数料以外にも複数の利点があります。

  • OTA手数料が発生しないため、同じ売上でも手取りが増える
  • ゲストの連絡先を自社で保有できるため、再訪を促す施策が打てる
  • OTAの表示ルールやアルゴリズムの変更に影響されない
  • 予約条件や販売プランを自由に設計できる

特に2点目は長期的な効果があります。OTA経由の予約では、ゲストの情報はプラットフォーム側が保有します。自社予約であれば、次回以降の案内を直接送ることができます。

自社予約サイトのデメリットと注意点

導入前に把握しておくべき負担もあります。

  • 集客を自力で行う必要があり、開設しただけでは予約が入らない
  • 予約システムの利用料が固定費として発生する
  • 問い合わせ対応やキャンセル処理を自社で担う必要がある
  • 決済トラブルへの対応体制が必要になる

OTAが担っていた業務を自分側に取り込むことになります。手数料は、この業務の対価でもあったという点を踏まえて判断してください。

物件数が1件のみの場合、システム利用料を手数料の削減額で回収できないことがあります。複数物件を運営している場合や、リピーターが見込める物件の場合に効果が出やすい仕組みです。

レートパリティに注意する

自社予約サイトを運用する際は、OTAとの契約条件を確認してください。プラットフォームによっては、自社サイトでOTAより安い価格を掲載することを制限している場合があります。

この条件はレートパリティと呼ばれます。違反すると、検索結果での表示順位が下がる、掲載を停止されるなどの措置を受ける可能性があります。

価格で差をつけられない場合でも、方法はあります。特典を付ける、キャンセル条件を緩和する、連泊プランを自社限定で用意するといった形であれば、価格を変えずに自社予約の魅力を高められます。契約条件の範囲内で設計してください。

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自社予約サイトへ送客する方法

自社予約サイトは、作った後の送客設計が成否を分けます。OTAという集客装置を使わずに人を集める導線が必要です。

リピーターを起点にする

最も現実的な起点は、一度宿泊したゲストです。滞在を通じて施設を知っているため、次回の予約でOTAを経由する必要がありません。

滞在中に自社サイトの存在を伝え、次回利用時の案内を渡す方法があります。チェックアウト後にお礼の連絡を送る際、自社サイトを案内する運用も有効です。

ただし、OTAの規約で、プラットフォーム外への誘導が制限されている場合があります。メッセージ機能を使った直接的な誘導は違反となる可能性が高いため、施設内の案内など規約に抵触しない方法で行ってください。

現地でのオフライン接点を使う

施設内に設置する案内物は、規約の制約を受けにくい接点です。

ハウスマニュアルに施設の公式サイトを記載する、フォトスポットに施設名を掲示する、備品に施設名を入れるといった方法があります。滞在の満足度が高ければ、施設名で検索してもらえる可能性が生まれます。

重要なのは、施設名を覚えてもらうことです。物件に名前がなければ、検索のしようがありません。命名と表記の統一は、自社予約サイトを運用する前提条件になります。

SNS・検索からの流入をつくる

新規のゲストを自社サイトに呼び込むには、SNSと検索が主な経路になります。

SNSでは、施設の写真と周辺の情報を継続的に発信します。宿泊施設そのものより、エリアの魅力や過ごし方を発信するほうが反応を得やすい傾向があります。

検索からの流入を狙う場合は、エリア名と施設タイプを組み合わせたキーワードで情報を用意します。一定の期間と継続的な運用が必要になるため、短期での効果は見込まないでください。

OTAをやめるべきではない理由


自社予約サイトを持った後も、OTAの掲載は継続してください。手数料を理由にOTAを外すと、稼働率が大きく下がります。

OTAは単なる予約の受付窓口ではなく、認知の獲得手段でもあります。特に新規のゲストにとっては、施設を発見する唯一の経路です。訪日客の場合、自国で使い慣れたプラットフォームで検索するため、掲載がなければ選択肢に入りません。

現実的な目標は、OTAをやめることではなく、自社予約の比率を少しずつ上げることです。全体の1〜2割を自社経由にできれば、平均手数料率は明確に下がります。

また、複数のOTAに掲載しておくこと自体がリスク分散になります。1つのプラットフォームの表示順位が下がっても、他の経路で予約を確保できます。掲載先を絞ることは、収益の安定性を下げる判断でもあります。

OTAの手数料削減より先に見直すべき点


手数料の削減に取り組む前に、確認しておくべき項目があります。稼働率と単価のほうが、収支への影響が大きいためです。

手数料率を5%下げても、年間の効果は18万円程度です。一方、ADRを2,000円上げられれば、稼働日数146日で年間29万円の増収になります。稼働率が10ポイント上がれば、利益は40万円以上変わります。

優先順位は次のとおりです。

  • 写真とリスティングの見直しによる稼働率の改善
  • 価格設定の最適化による単価の改善
  • 連泊比率の向上による変動費の削減
  • 予約経路の構成見直しによる手数料の削減

手数料は目に見えやすい費用であるため、真っ先に削減対象になりがちです。しかし、削減幅には上限があります。売上側の改善余地を確認したうえで取り組んでください。

よくある質問(民泊 OTA 手数料)

Q. OTA手数料は経費として計上できますか?

事業所得または不動産所得の必要経費として計上できます。OTAから発行される支払明細を保管し、売上と手数料を区分して記帳してください。

海外のプラットフォームを利用している場合、消費税の取り扱いが国内事業者と異なることがあります。判断に迷う場合は税理士に確認してください。

Q. 複数のOTAに掲載するとダブルブッキングは起きませんか?

在庫を連動させる仕組みを入れていなければ発生します。サイトコントローラーを導入し、どれか1つで予約が入った時点で他のサイトの在庫が閉まる状態にしてください。

運営代行を利用している場合、この機能が標準で含まれているかを契約前に確認してください。

Q. 自社予約サイトはいくらで作れますか?

予約エンジンの利用料は、月額数千円から数万円が一般的な水準です。サイトの制作費は別途発生します。

物件数が1件で、リピーターの見込みも少ない場合は、費用対効果が合わない可能性があります。複数物件を運営している場合は、共通のシステムで運用できるため回収しやすくなります。

Q. 手数料の安いOTAだけに絞ってもよいですか?

おすすめしません。手数料の低いプラットフォームは国内客の比率が高く、訪日客の予約は取りにくい傾向があります。

掲載先を絞ると、稼働率が下がり、削減した手数料以上に売上を失う可能性があります。手数料率ではなく、手数料を引いた後の手取り額で判断してください。

まとめ:予約経路を分散し、自社予約の比率を段階的に上げる

民泊のOTA手数料について、要点を整理します。

  • OTA手数料は売上の10〜20%を占め、変動費のなかで最大級の項目である
  • 手数料は率だけでなく、ホストとゲストのどちらが負担するかで実質的な意味が変わる
  • 予約経路の分散、手数料方式の見直し、連泊比率の向上で負担率を下げられる
  • 自社予約サイトは効果が大きい一方、集客を自力で行う必要がある
  • OTAの掲載は継続し、自社予約の比率を段階的に上げるのが現実的

楽々プランニング株式会社では、フル運営代行のなかで予約経路の構成と価格設定の最適化まで対応しています。手数料の負担が重いと感じている方は、現状の予約経路をお聞かせください。

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